2021.02.15
透水性コンクリートで機能美を兼ねた多彩な建築表現を!
■ 透水性コンクリートとは?
現在、高い機能性と多彩な建築表現を可能とする建築材料として、透水性コンクリートが注目されています。
そんな透水性コンクリートの中でも一際高く注目されているのが透水性舗装仕上げ材ドライテック、通称ドライテックです。ドライテックは、高い透水性を持ちながら表面強度・曲げ強度に優れたポーラス構造の透水性コンクリートと言われています。
さらに、ドライテックの構造材ポーラスコンクリートは、内部に連続的な空隙を持つことから、透水性・通気性・保水性・吸音性・衝撃吸収性に優れる機能的コンクリートです。
今回はそのドライテックの利点と特長をご紹介します。
■ ドライテックの利点とは?
【快適・安全な環境を作る】
毎年のようにみられる集中豪雨・台風による河川の氾濫、道路の冠水は我々を悩ませがちです。その一つの原因として、従来のアスファルト舗装、コンクリート舗装や各種建築物による地表面の遮水が考えられます。
高透水性のドライテックを歩道・建物外溝・駐車場などに使用することで、その優れた統帥能力により、雨水を地中へ浸透させ、排水設備への負担を軽減し、自然災害に強い環境整備に貢献します。
また、ドライテックの保水性・通気性はヒートアイランド現象を防止して、快適な都市空間づくりに寄与することが可能です。
【従来に変わる画期的ポーラスコンクリート舗装仕上げ】
ドライテックのポーラス構造がコンクリート舗装の透水性を実現させています。組成分の無機バインダーは十分な強度と耐久性を発揮しているため、歩道・駐車場の使用にも対応する仕様です。
さらに、特殊骨材や樹脂系特殊バインダーを必要としないので、生コンプラントで簡便に製造し、速やかに現場への配送が可能です。
また、排水処理の計画・設備が不要で、均し工程も一回で済むため、作業性に優れ、経費が大幅に削減されます。
そして、従来のコンクリート舗装に較べて背筋が不要です。したがって水勾配の計画も必要ありません。
しかも、1㎥から配送可能なことから、小規模な駐車場から大規模な舗装施設の施工まで対応できるのです。
【インターロッキングの下地にドライテックが利用可能】
ドライテックをインターロッキングブロックの下地に使用することで、水勾配などの排水計画や、ブロック陥没の心配が不要です。そのため、コスト削減にもつながります。
ちなみにドライテックの透水性比較として、ドライテックを下地に使用したインターロッキング仕上げが挙げられます。
自然に雨水を地中に浸透、地表面の遮水を防ぎ、自然環境を護ります。つまり、ゲリラ豪雨に匹敵するホースからの大量の水でさえ浸透が可能です。
■ ドライテックの特長とは?
【高強度】
ドライテックは透水性舗装材に求められる空隙を多く持つポーラス構造でありながら、表面強度・曲げ強度にも優れています。そのため、コンクリート舗装材として十分な強度を長期的に保持することが可能です。
【透水・保水機能】
ドライテックは内部にポーラス構造と呼ばれる多くの空隙があり、雨水を透水・保水しながら地中へ浸透させるため、水溜まりができたり雨水が下水に集中するのを防ぎ、地下水系への影響を最小限に抑え安定化させます。
【耐久性】
透水性ポーラスコンクリートドライテックは、無機バインダーを使用することにより、長期間の強度を維持します。これにより、透水性アスファルトなどでは修復不可能な空隙のつぶれなどを生じることがありません。
一方で、土やほこりなどにより目詰まりを起こした場合、家庭用高圧洗浄機などで洗浄することによって、毛細管状に張り巡らされた排水網へ汚れが抜けることで透水性が回復します。
【快適性】
店舗・住宅のエントランス・駐車場などに使用いただければ雨の日も水溜りがなく、お客様に快適に歩行していただくことが可能です。
【経済性】
施工に際しては特別な設備・機械が不要です。そのため、コンクリート舗装と同程度のコストが実現しました。
また、特殊骨材・樹脂系特殊バインダーを使用しないため、特別な設備も必要なく、生コンプラントで簡単に製造、配送することが可能です。
そして透水性ポーラスコンクリートのため、水勾配や排水計画も不要です。排水計画が取りづらい現場や犬走などの狭小スペースでの排水(透水)にも優れています。そのため、排水設備が軽減され、コスト削減にもつながります。
【環境性】
自然環境の保全ができます。雨水が循環するため、地中構造が自然状態に近く、地下水の枯渇抑制、地盤沈下の防止、生態系の保護など自然環境保全にも効果を発揮します。
また、ヒートアイランド現象を抑制します。透水機能で保水された地中水分と通気機能による地中からの水分蒸散は直射日光による路面温度の上昇を抑え、ヒートアイランド現象を抑制します。
【作業性】
材料製造の容易性・利便性も特長の一つです。
ドライテックは、高品質な透水性舗装材を生コンプラントで製造することができ、住宅などの小規模な現場はもとより、大規模な透水性コンクリート舗装現場においても施工が可能です。製造方法、施工方法は施工面積や規模により異なります。しかし、透水性舗装材の製造・施工において特別な設備。施工機材は必要としません。
さらに、土間コンクリートのように時間経過とともに必要な複数回の均し作業(仕上げ・押さえ)の必要はありません。打設時のプレート押さえだけで、数量によっては夕方からの施工が可能です。
そして、曲げ強度に優れたポーラスコンクリートです。土間コンクリートに必要な配筋(メッシュ筋)の必要がありません。準備工程が削減されるだけでなく、搬入時の一輪車による間配りが容易となります。またミキサー車による直接搬入も可能です。
何より、無機主体の水系タイプのため、作業時に取り扱いやすく、安全性にも優れている仕様です。
【意匠仕上げ】
ダイレクト仕上げ、ダイレクトカラー仕上げ、ダイレクト撒石仕上げ、インターロッキング仕上げなど、様々な景観に応じた意匠を提供することができます。
■ 多様なニーズ、多様な用途にも対応
ドライテックをsのまま仕上げ材とする場合の、透水性意匠仕上げでは様々なバリエーションが可能です。
ダイレクト仕上げ、ダイレクト撒石仕上げ、ダイレクトカラー仕上げが主にあります。
ちなみにダイレクトカラー仕上げの基本カラーは8色から選ぶことが出来ます。
一方、透水性ポーラスコンクリートとして使用することも出来ることから、アプローチ、車路、駐車場、エントランスアプローチ、補導、犬走、コミュニティエリア、ガーデンベンチと表現豊かな路地を演出することが実現可能です。
■ ドライテックと従来品の比較
透水性環境舗装材にて、ドライテックと従来品の透水性舗装材(有機系)を比較しました。
【耐候・耐久性】
・ドライテックの場合
無機材のため、長期耐久性に優れています。無機バインダーの結合により、気温の変化に関わらず、ポーラス構造を維持することが可能です。
・従来品の場合
樹脂の劣化による耐久性の低下が生じます。気温の上昇により、バインダー軟化溶融が原因とされる空隙つぶれ(目詰まり)が発生します。空隙つぶれは修復することが出来無いため、透水機能が著しく低下します。
【舗装材の保水性】
・ドライテックの場合
無機材のため、無機バインダー無機骨材が保水機能を発揮し、舗装材自体に保水機能を持たせることが可能です。
・従来品の場合
保水性骨材を用いても、骨材表面が樹脂被膜で覆われてしまうので、舗装材での保水は不可能です。
【施工時の臭気】
・ドライテックの場合
無機系の材料なので、ほぼ無臭です。
・従来品の場合
打設混練時、溶剤臭があります(VOCガス発生)。
【施工性・経済性】
・ドライテックの場合
生コンプラントで製造でき、小さな現場もコストパフォーマンスに優れています。
・従来品の場合
打設厚を厚くすることにより強度をカバーします。大がかりな設備・機材が必要で、小さな現場ではコストが高くつきがちです。
■ 最後に
透水性コンクリートは機能美だけでなく、多彩な建築表現を可能とします。
家屋周辺のエクステリアだけでなく、歩道や駐車場などにも洒脱なデザインを演出することが出来ます。
その上で、昨今増している台風や集中豪雨などによる浸水、冠水被害からも防いでくれる機能性が日々の生活を守ってくれます。
まずはどうぞ透水性コンクリートの特長と適応力をその目でお確かめください。